2023年03月08日(水曜日)
ポリウレア樹脂は、その優れた耐摩耗性や耐薬品性から、特に工場設備で高負荷のかかる場所で多く使用されています。重い荷物が頻繁に通行する工場の床、または廃液槽や薬品タンク内の下地保護など、ポリウレアはその耐久性を発揮します。実際ポリウレア樹脂は摩擦や衝撃に強く、長期間にわたってその性能を維持することができます。このためさまざまな産業での適用が増えていますが、屋外で使用する際には一つ注意すべき点があります。それが紫外線による変色(黄変)です。
紫外線の影響とは?
ポリウレアは紫外線にさらされると、塗膜の品質における劣化等の心配はございませんが、表面が変色してしまうことがあります。特に芳香族系のポリウレア樹脂は、この影響を受けやすいです。変色だけでなく光沢度も低下するため、美観を維持したい場合には、この紫外線による変色を防ぐ必要があります。もし長期的に美観を保ちたい場所で使用するのであれば、変色や劣化を防ぐための対策が求められます。
トップコートの重要性
そこでウレタン系やフッ素系のトップコート塗料をポリウレアの上に塗布することをお勧めします。トップコートは、ポリウレア塗膜を紫外線から守るだけでなく、以下のような追加のメリットを提供します。
1.耐用年数の延長
トップコートを塗ることで、ポリウレア塗膜の耐用年数が延びます。紫外線による劣化を防ぐことにより、塗膜の劣化を遅らせ、長期間の使用が可能になります。もちろん使用環境によって効果は異なりますが、過酷な環境下でも耐久性を高める重要な役割を果たします。
2.美観や光沢度の維持
ポリウレア自体にはつや消しタイプがないため光沢感や仕上がりの色合いに選択肢が限られます。しかし、トップコートを併用することで、つや消しや艶ありなど、好みに合わせた仕上がりにすることができます。これにより、デザイン面でも柔軟に対応できるようになります。
3.色のバリエーション
ポリウレア自体では限られた色しか選べませんが、トップコートを使用することで、色のバリエーションを増やすことができます。複数の色を使用することで、デザインの幅が広がり、より創造的な仕上がりにすることが可能です。
どんな現場でトップコートが必要か?
ポリウレア樹脂は、耐摩耗性や耐薬品性に優れており多くの場面での適用が可能な材料ですが、屋外環境で使用する際には紫外線による変色という課題があります。美観を保つためには、ウレタン系やフッ素系のトップコートを併用することをお勧めします。トップコートを使うことで、耐用年数を延ばすことができ、光沢感や色の選択肢も広がり、デザイン性を高めることができます。
NUKOTEにはALやPAといった元々変色の少ない脂肪族系のポリウレアの品揃えもございますし、白が混じった淡色系の色に比べると、黒・緑・赤・黄などの原色系の色は芳香族でも変色しづらい色もございます。また床面の施工で耐摩耗用途にポリウレアをご使用になる場合等、紫外線の影響を受ける環境下でもトップコートを併用しない方が好ましい現場もございますので、お気軽に弊社宛にお問合せいただけたらと思います。